私たちがお答えします

母乳の吸いが悪いのですが、口の形態に問題があるのでしょうか?

口唇口蓋裂という障害を持っている場合はうまく吸えませんが、出生時に医師がチェックしているので、その可能性はないかと思います。舌小帯の影響もほとんどないと思われます。他の原因が考えられますので、産科または小児科の医師にご相談ください。

断乳が遅れると虫歯になりますか?

飲みながら寝てしまった場合には乳首を離し、唾液が行きわたるようにしましょう。母乳だけが原因で虫歯になることはまずないと言えるでしょう。離乳食が始まると、他の食べ物や飲み物の影響が出てきます。それらの影響の方が大きいので注意しましょう。

ミルクを飲んだまま寝てしまうことが多いのですが虫歯になりませんか?

母乳やミルクは比較的虫歯になりにくいと言われていますので、飲みながら寝てしまっても、母乳やミルクそのものだけでは問題ないと言えます。しかし、日中甘いお菓子を食べてそのままになっているなど、他の生活習慣に問題がある場合、そちらの影響は出ると思われます。

哺乳瓶の乳首の種類によって口の周りの筋肉は変わりますか?どれを使うとよいですか?

哺乳瓶の乳首の形態による差を歯科学的観点から研究したデータはないようですので、わかりません。一般的に口腔内で安定する形であること、穴のサイズは乳児の吸啜能力に合わせて、おおむね一回の授乳時間が10ないし15分程度となることを目安に選択すると言われています。

哺乳瓶の使用は歯のことを考えるといつ頃までよいですか?

コップを使えるようになる1歳~1歳6か月を目安としてください。なかなか哺乳瓶から離れられない場合でも、甘いジュースなど哺乳瓶で与えるのはやめましょう。コップを使った時は思いきり誉めたり、甘いジュースなどはコップに入れたりして、コップへ切り替えていきましょう。

哺乳瓶でジュースを飲ませてもよいですか?

砂糖を含んだ飲み物を哺乳瓶に入れて乳児に与える習慣によって生じる虫歯のことを「哺乳瓶う蝕」といいます。特に、就寝時に与えていると虫歯が重症になります。前歯が何本も同時に重度の虫歯になり、通常は虫歯になりにくい前歯の裏側まで虫歯となるのが特徴です。ジュース・スポーツドリンク・乳酸菌飲料は大量に砂糖を含みますし、100%果汁のジュースも果糖を含むため、哺乳瓶では飲ませないでください。

哺乳瓶を使用することにより、歯並びが悪くなりますか?

通常の使用では問題ないと言えるでしょう。

1歳6か月ですが、牛乳だけは哺乳瓶でしか飲みません。どうしたらよいですか?

1歳6か月であれば、問題ないのではないでしょうか。そのうちコップを使えるようになると思いますので、気長に待ちましょう。哺乳瓶で牛乳を飲む小学生は見たことがないですから。

フォローアップミルク(生後9か月から)を哺乳瓶で与えています。2歳まで続ける予定ですが、歯への影響はありますか?

フォローアップミルクにも乳糖が含まれているため、虫歯になる可能性もありますが、フォローアップミルクそのものが原因となることはほとんどないでしょう。それよりも、日中のおやつの種類や食べ方に注意し、通常の虫歯予防を心がけてください。

指しゃぶりはいけないのでしょうか?いつまでにやめさせればよいのでしょうか?

指しゃぶりは生理的な現象と言われています。胎児が母親のお腹の中で指しゃぶりをしていることはよく知られています。しかし、いつまでも続けていると歯並びに悪影響が出てきます。では、いつまでにやめればよいのでしょうか?平均的には3歳までにやめれば大丈夫でしょうと言われています。しかし、実際は5、6歳まで指しゃぶりをしていても、歯並びに影響が出ない子もいれば、3歳にはやめたのに影響が出てしまう子もいます。単に指しゃぶりといっても、なめる程度の子から、1歳ですでに歯列の形を変えてしまう程強く吸っている子もいますし、指が入らなくなったかわりに、舌や、唇を入れる癖が残ってしまうこともあるからです。簡単にやめられるようであれば、早めにやめせておいた方が無難だと言えるでしょう。

指しゃぶりをやめさせる方法は?無理にやめさせると悪影響がでませんか?

3歳を過ぎてもやめない場合は、そろそろ積極的に取り組んでみましょう。まずは、子どもに理解させることが大切です。絵本にも出ていますので、利用させるといいでしょう。(ゆびしゃぶり やめられるかな 三輪康子ほか著、わかば出版)。精神的な不安を解消するために吸っているのでしょうから、指しゃぶりをとがめるのではなく、指しゃぶりをしなければ誉めてあげたり、励ますという基本姿勢で取り組んでください。厳しく叱ったり、とがめたりすると、隠れてしゃぶるようになり、かえって精神的に不安定になるかもしれません。あくまでも、優しくわからせて自分からやめようという気持ちを引き出してあげてください。母親の工夫で楽しい雰囲気の中で。 例)・指しゃぶりをしないで1日過ごせた時はカレンダーにシールを貼って子どもと一緒に大喜びして誉める。 ・寝るときには手をつないであげる。 ・指人形をつけて、「お口に入ってこないでね」とお願いする。 試みて無理だった場合は、子どもの精神面を大切にして、いったん休憩したほうがよい場合もあるでしょう。その子にあった対応が望まれます。

指しゃぶりは歯並びに影響が出ますか?

指しゃぶりの歯並びへの影響は、上の前歯が出る(出っ歯)、上下の前歯が合わない(開咬)、奥歯の噛み合わせが上下逆になる(臼歯部交叉咬合)などがあります。歯並びが心配になった場合、思春期成長期を過ぎてしまうと治療が難しくなりますので、6、7歳で矯正相談を受けてください。

おしゃぶりを与えるとしたらいつ頃からがよいのでしょうか?

おしゃぶりが鼻呼吸やアトピーの予防によいとも言われているようですが、現時点では科学的証明はなされていません。その一方で、2歳を過ぎてもおしゃぶりをしている子どもたちに、指しゃぶり同様の歯列不正の発現率が高くなるという研究結果が出ています。やめられなくなって困るということもあるようですので、歯科医の立場からはお勧めしません。しかし、子どもが公共の場で泣いて困った時におしゃぶりがその子の母親を救ってくれる場合は別かもしれません。使うならば、短時間に上手に使ってください。

いつも口をポカンと開けていますが今後、悪影響が出ることがあるのですか?

慢性的な鼻炎などで鼻づまりがあり、口呼吸しなければならない場合もあるでしょうが、鼻づまりが治った後も、口呼吸の方が楽であるために、そのまま癖になってしまっているお子様をよく見かけます。鼻に新鮮な空気が送られなくなる為に、口呼吸がますます鼻の通りを悪くするという悪循環が生じます。子どもには、口を開けているのが当たり前ではなく、閉じて鼻呼吸することが正しいことだと教えてあげてください。口うるさくならないよう、部屋のあちらこちらの目につくところに、子ども自身が書いた唇の絵を貼っておくのもよいかもしれません。 口腔内の影響としては 1.前歯部に歯肉炎が生じます 2.前歯が乾燥して唾液の虫歯予防作用が得られないために前歯だけに虫歯ができやすくなります。 3.口唇は前歯が出てくるのを防いでいるので、出っ歯になる一つの要因になります。 4.舌の位置が低くなることにより顎の成長発育に悪い影響を及ぼすこともあります。

食事の際に口からポロポロよくこぼれます なぜですか?

適量を口に入れ、口唇を閉じて奥歯でしっかり噛んで食べるように言ってみてください。発達段階の途中にある場合は、上手に食べれなくて当たり前の場合があります。様子を見てあげてください。4,5歳になっても改善されないとすれば、舌と口唇の使い方に問題があるかもしれません。お行儀が悪いと叱っても、上手に食べることができないのです。

食事をよく噛まずにすぐに飲み込んでしまいます。どうしたらしっかり噛めるようになりますか?

乳臼歯は1歳6か月頃から萌出をはじめ、3歳ごろに萌出が完了するのでそれまでは、気長に待ってあげてください。それ以上の年齢の場合は、しっかり噛んでたべるように習慣づけていきましょう。テレビを消して、楽しい雰囲気の中での食事が大切です。もしお茶などで流し込むような食べ方をしているようならば、飲み物は食事中に置かないようにした方がよいでしょう。

口の中に食べ物をいつまでも噛まずにもっていて飲み込みません。どうすれば上手く飲み込めるのでしょうか?

変えて、食べやすいメニューにしてみてください。大人には平気でも、子供にとっては食べにくいものあります。 その他、 ・本当に空腹かぢうか? ・子供の食事量として多すぎないか? ・テレビなどの他のことに気を取られてないか? をチェックしてみましょう。遊びが足りなかったり、お菓子やジュースを取りすぎたり、昼と夜のメリハリがしっかりしてないと、食欲もわきません。

歯ごたえのあるものを食べさせたいのですが、どんなものが良いですか?

噛むことは、歩くことと同じと考えてください。足腰を鍛えるからといって、過剰なトレーニングを急に始めると、かえって関節を痛めることもありますね。でも、タクシーやエスカレーターにばかり頼っていては足腰の健全な発育は望めません。ですから、毎日栄養バランスの良い食事を楽しくよく噛んで食べていれば、特別歯ごたえのあるものを選択しなくても良いと思われます。

一口30回噛むと良いと聞きましたが、時間もかかるし本当によいのですか?

とくに回数にこだわらなくてよいと思います。料理に合わせてよく噛んで食べましょう。

しっかりよく噛むと頭が良くなると聞きましたが本当ですか?

噛むと脳内活動が高まるという研究報告があります。老人の認知症と噛む機能の関係についても調査が進んでいるようです。噛むことだけで頭が良くなるかどうかは???ですが、少なくともよく噛むことは脳の発達にプラスに作用することは確かでしょう。

話をするたびにツバが飛び出すのはなぜですか?

子供は唾液の量が多いので、あわててしゃべると飛び出すかもしれません。あまり心配はいらないと思われます。まれに、歯並びや舌の動きが関与している場合もありますので、心配であれば矯正相談を受けてみましょう。

癒合し歯は虫歯になりやすいと聞きましたが本当ですか?

癒合歯は、2本の歯がひっついてる状態です。2本が合わさっている部分は溝になっているこたが多く、その部分は虫歯になりやすいので、よく磨いてください。溝が深い場合は、予防充填が望ましい場合もありますのでご相談ください。癒合歯の下に永久歯が2本ある場合と1本しかない場合があります。1本しかない場合は歯の本数が合わなくな歯並びが崩れる原因となりますので、矯正相談適正時期に相談を受けてください。

産まれた時から歯が変えていましたが異常でしょうか?どんなケアをすればよいですか?

異常ではありません。舌を傷つけていたり哺乳の妨げになるようでしたら、歯の先を丸く削ります。

歯は何か月で生え始めますか?

生後6カ月から1年で下のA(前歯)から萌出するとされています。

上唇小帯が大きいと言われましたが、何歳まで様子をみたらよいですか?

上唇小帯が歯の近くまで付着している場合は、上の前歯の隙間が閉じない状態(正中離開)の原因になることがあります。どうしても必要と判断された場合は小帯形成術を行いますが、正中離開には他の原因もあり小帯切除だけでは改善されない場合もあります。必要性の頻度は低いので、あまり心配しなくてもよいと思われますが、気になる場合は処置を行うかどうかをかかりつけ医または矯正医に相談してみてください。手術は一部の一般歯科もしくは口腔外科が行います。上唇小帯が大きい場合、上の前歯を磨くときには、上唇をしっかり持ち上げて磨いてください。

舌小帯が短いようですが、手術した方がよいですか?するとしたらいつ頃がいいですか?

「哺乳のために短い舌小帯を切った方が良いということを聞いたことがありますが、切った方がよいですか?」という質問をよく受けます。歯科医学的には一般的ではありません。機能障害が明らかな場合は、切除を行いますが、乳児期の不確実な切除で、かえって発育障害を起こした症例の報告もあり、急ぐ必要はないと思われます。また、小帯が短い場合は問題ないと思われます。

舌がよく荒れます。何か栄養がたりないのですか?

子供の舌がよく荒れるということはまれだと思いますが、ビタミンB1 B2 B6が不足した場合、舌が荒れると言われています。

子どもの舌も磨いた方がよいのですか?

特に必要はないと思われます。

他の子より舌が長いようですが、問題はありますか?

本当に長かったり大きかったりすることはごくまれです。舌の位置や使い方の癖で長く見えていると思われます。歯並びに影響を与えているようなら相談してください。

矯正はいつから始めたらよいのですか?

まず、指しゃぶりや口呼吸、片側噛みなどの悪習癖があればやめるように心がけ、なければ遺伝的な要素が大きいと思われるので、あまり心配せずに毎日の食事を楽しくしっかり噛んで食べることに留意して、矯正相談適正時期に相談してください。

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